こんにちは!Norikoです。
アレキパから夜行バスに乗り、たどり着いたのは死ぬまでに行ってみたいと思っていた憧れの街クスコ。
かつてインカ帝国の首都としても繁栄した、とても美しい世界遺産の街です。
しかし、到着した私は予想外の出来事に巻き込まれ、恐怖と怒りに支配された1日を過ごすことになるのでした…。
アレキパからクスコへ
夜、タクシーでアレキパのバスターミナルに向かいます。
到着したバスターミナルにはたくさんのバス会社のカウンターがずらりと並んでおりました。
今回私が利用するバス会社もCRUZ DEL SUR。
あらかじめインターネットで手配しておいたバスのeチケットをカウンターで提示し、チケットを発券していただきました。
そして、20:30に出発です。
CRUZ DEL SURのVIPシート席は飛行機のビジネスクラス席のように乗り心地は快適です!(ちなみに飛行機のビジネスクラス席に乗った経験はありません。)
南米を旅して感じたのは、CRUZ DEL SURはアルゼンチンやチリなど先進国の長距離バスと比べてもサービスが良く最高のコストパフォーマンスを誇っているということです。
乗車してしばらくすると夕食が配られます。お味もまずまず。
今回、標高が高いクスコへ向かうということで前日から高山病の薬を服用し始めました。
途中で体調が悪くなったり嘔吐してしまうのではないかとビクビクしていましたが、ぐっすり眠ることができ朝7:30気づけばクスコに到着していました。
世界遺産都市クスコ
クスコのバスターミナルに到着すると、早朝にもかかわらず宿泊予定の宿のママがお迎えに来てくれていました。
そこからタクシーに乗り約1分。宿はCRUZ DEL SURバスターミナルのとても近くに立地していました…!
今回私が宿泊したのはGuest houseという宿でしたが、ママは英語が堪能でとってもホスピタリティ溢れる優しい方でした。
高山病に良いからと温かいコカ茶を出してくれ、朝食まで作ってくださったのです。
お部屋も広々として居心地がよかったです。
ただ、中心街から少し離れているのが難点。
少し休憩をした後はさっそく散策に出かけました。
治安は大丈夫なのだろうかと少し心配しながらも歩きます。
20分程で中心街に到着。
クスコ独特の街並みに感動いたしました!
この日は日曜日だからなのかほとんどのレストランやお店は休業のようでした。
開いているレストランを見つけ、セビーチェを注文。
この独特の酸味が何とも言えずクセになる味です。
お腹がいっぱいになったところで再び街の散策です。
そして、自分の現在地を確認しようとiPhoneを取り出して見ていた時でした。
バシャ!と私のiPhone目がけて水が飛んできたのです。
水が飛んできた方向に目をやると、通り過ぎる車の窓から男の子が私の方に向けて水鉄砲を発射してきます。
愕然としてしまいました。
防水機能はあるものの万が一iPhoneが壊れてしまったらどうしてくれるのだろう…。
そして、親はなぜ何も注意しないのだろう…。
楽しい気分が台無しになり、とても腹が立ちました。
なんとか気分を切り替えようと街の見どころでもあるアルマス広場へ行くことにしました。
アルマス広場にはとても美しいカテドラルがある…。
”ずっとずっと私がこの目で見たかった景色だ…!!”
そんな想いを胸にアルマス広場にたどり着いた私は衝撃の光景を目にし、その場に立ち尽くしてしまいました。
(こ、これは…?)
写真ではわかりづらいかもしれませんが、憩いの場であるはずのアルマス広場は泡かけ・水かけ祭りの戦場と化していたのです。
呆然と立ち尽くす私に1人の欧米人男性が声をかけてきました。
「君、この状況をどう思う?今日はカメラやiPhoneは取り出さない方がいいよ。容赦なく泡や水をかけられると思うから下手すると壊されると思う。あと、服も汚されるからレインコートを着用した方がいいよ。」
『そうですか。最悪ですね。私にはこの状況が理解できません…。』
そんな会話を交わしました。
近くにいた警察官に‶これは一体何事か”と尋ねたところ、どうやらこの時期はブラジルのリオのカーニバルをはじめ南米中でカーニバルが開催されておりこれもカーニバルの一種なのだとか。
なるほど…。タイの水かけ祭りやインドのホーリー祭などが脳裏をよぎります。
そして、アレキパのアルマス広場でも泡かけ合戦が繰り広げられていたことを思い出しました。
あれはそういうことだったのですね。
いつかはそんなお祭りに参加して子供のように無邪気に水や泡やカラフルな粉をかけあってはしゃぎたい…!!
私にもそんな風に思っていた時期がありました。
しかし、この状況で泡や水をかけられるのは避けたいです。
鞄の中に入っている電子機器達が壊れるのはとても困りますし、そもそも鞄やダウンジャケットなどを汚されるのはとても嫌です。
このカーニバルはアルマス広場だけではなく街全体で行われているようで、私も容赦なく泡や水をかけられました。
スプレー缶や水鉄砲を持っている方たちとすれ違う度に『絶対にかけないでください!!』と表情で牽制しておりましたが全く持っておかまいなしです。
早く宿に帰りたいと思いつつも、私にはマチュピチュに行くためのツアーをツアー会社で手配するというミッションがありました。
個人手配をしたいと考えていたのですが、どうやらマチュピチュへの入場は近年ガイド同伴が義務付けられ、入場も2部制になったと聞いていたのでツアー会社で手配するのが堅いだろうとの結論に至ったのです。
泡かけ・水かけの戦士達を避けるようにツアー会社を探しておりましたがお目当てのツアー会社がなぜか見つかりません。
途中でカフェに入り、休憩をしながらも探し続けました。
それにしても泡や水をかけられる恐怖に怯えながらの街歩きは本当にストレスが溜まります。
目の前で2階の出窓から水の入ったバケツをひっくり返して水をかけられてびしょ濡れになった人を見た時は思わず固まってしまいました…。
気が付けば、私は人ごみを避けるように街を見下ろすことができる高台に来ていました。
アルマス広場やクスコの街を一望でき、とても美しいです。
泡や水をかけられイライラしていましたが、この景色を見たらそんなイライラ一時的にだけですが吹っ飛んでしまいました。
この独特の街並みは本当に本当に美しいです…!!
もう一度、意を決して街に飛び込み地元の方々に聞きながらツアー会社を探しました。
そして、ついにお目当ての会社を発見。
通りかかった道にあったホテルのレセプションの方に尋ねたところ、親切にもツアー会社に電話をしてくれ場所を聞き出してくださったのです。
どうやら会社は最近移転されたようでした。
無事ツアーの申込みを終え、帰路につきます。
暗くなり始めた街を街灯が照らし、幻想的な雰囲気が漂っていました。
泡かけ・水かけの戦士達も戦いを終え、帰路についています。
本当に疲れた1日でした。
宿を目指して歩いていると道路脇でお肉を焼いている屋台を見つけます。
美味しそうだなぁと眺めていると、
「このお肉、アルパカのお肉みたいですよ!1本5ソルなんですけど美味しいですよ!」
と日本語で声をかけられました。
隣には落ち着いた雰囲気の優しそうな日本人女性が立っています。
お名前を聞き忘れてしまいましたが、彼女と一緒にアルパカのアンティクーチョを食べながら今日の泡かけ・水かけカーニバル事件について語りました。
ちなみにアルパカのお肉は臭みもなく程よい歯ごたえでとても美味しかったです!
ペルーに行かれた際はぜひぜひお試しください!
このカーニバルはある種伝統的なお祭りで腹を立てるべきことではないのかもしれません。
そして、本来であれば私も一緒にお祭りを楽しみたかった…それなのに私にはどうしてもそれができませんでした。
そんな自分自身に対し、がっかりしたという気持ちがありました。
もう、私には無邪気にお祭りを楽しむことができる子供心がないのかと。
その女性は仕事の関係でブラジルに赴任中とのことですが、今の時期はカーニバルで街が機能しなくなるため休暇を取ってクスコにいらっしゃったそうです。
しかし、クスコもこの有り様で非常にイライラした1日を過ごしたとのこと。
「私も本当にイライラした1日を過ごしましたし、子供にも‶相手を見ろ!!”と怒鳴ってしまいましたよ。イライラするのは仕方ないことです。あなたが悪いわけじゃないわ。」
と優しいお言葉をいただきました。
お話ししているうちに心に穏やかさが戻ってくるのを感じました。
本当に散々な1日でしたが、それでもクスコの美しい街並みを見ることができてよかったです。
次は、もっと落ち着いて街並みを堪能したい…!!
そう思いながら私も帰路につきました。
行き方・料金
アレキパからクスコへ
CRUZ DEL SUR社バス
時刻表:出発20:30-到着翌朝7:30
所要時間:約11時間~
料金:片道130PEN~(約4,420円)
【乗車場所】CRUZ DEL SURバスターミナル
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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