ウシュアイアにはティエラ・デル・フエゴ国立公園という自然が美しい国立公園があります。
そしてその公園内には世界最南端の郵便局があるらしい。
これは行くしかない。
そう思った私は街で絵はがきを購入し、その郵便局に手紙を出しに出かけました。

ウシュアイア市内からティエラ・デル・フエゴ国立公園へ
バスで世界の果て駅へ
フエゴ国立公園へは、ウシュアイア市内の観光案内所近くのバスターミナルからバスでアクセスすることが可能です。
私は11:00出発のバスに乗車して向かいました。
乗車してから約20分ほどでエントランスに到着。
実はここは世界の果て駅でもあり、ここから世界の果て号とう列車に乗ることもできます。
その列車はかつてウシュアイアの刑務所に収容されていた囚人の移動に利用されたり、伐採した木を運んだりしていました。
今では観光客を乗せて園内を走り、美しい景色を楽しむことができるようです。
私は乗車しませんでしたが、興味がある方はぜひ乗車してみるのもいいと思います。
入場料の350ペソ(約1,855円)を支払い再びバスに乗りました。
世界最南端の郵便局
バスは再び走り出し、やがて停車しました。
降車した場所は紛れもない世界最南端の郵便局です!
ついにやって来たか…!と私の中に不思議な感動が沸き起こります。
桟橋の上にポツンと建つその姿はまさに世界最南端の郵便局感で溢れていました。
ちゃんと赤色のポストも設置されています。
間違いなく、世界最南端の郵便局です。
看板にも地の果ての郵便局だと記されていました。
局内に入ると、そこでは数名の人たちが手紙を書いていました。
世界最南端の郵便局から手紙が届いたら誰だって『おっ!?』と思うことでしょう。
世界中のお札が飾ってあります。
もちろん日本のお札も飾ってありました。
彼が、この郵便局で働いているちょっと有名な局員さんです。
一見近寄りがたい雰囲気を出していますが、声をかけると愛想よく応えてくれました。
この通り、写真撮影にも快く応じてくれます。
私は持参した絵はがきに手紙を書き、元職場に送ろうとカウンターに並びました。

この時、私の前には中国人団体旅行客が大勢並んでいました。
彼らは列を綺麗に作らなかったり大声でおしゃべりをしたりしています。
そして、手には大量の商品が握られていました。
いわゆる爆買いというやつですね。
すると前方のカウンターで何やら揉め事が起きているようでした。
背伸びをして様子を伺うと中国人の客と局員さんが揉めています。
局員さんは先ほど私に接してくれた愛想のよい態度とはうって変わって完全に怒っていました。
ドンッ!!!という物凄い音が局内に響き渡り、私の前に並んでいた中国人団体旅行客は局内から全員追い出されました。
前に並んでいた人達がいなくなったので、私は恐る恐るカウンターの局員さんの前へと足を進めます。
カウンターに敷かれていたガラスが粉々に割れています。
局員さんが怒りのあまり叩いて割ってしまったのかもしれません。
『何をしに来た?』
と無表情で言われました。
「日本に…手紙を出したいんです…。」
断られたらどうしようと内心めちゃくちゃビビりながら、私は彼に絵はがきを差し出しました。
すると局員さんは切手を貼ってくれ、無事絵はがきを出すことができました。
局内に居た他の人達は口々に『あの団体旅行客は局員さんに対してリスペクトがないからこんなことになったんだ。』と言っていました。
これはかなり驚いた衝撃的な出来事でした。
マナーを守って利用しないといけませんね。
トレッキングへ
フエゴ国立公園ではトレッキングを楽しむこともできます。
私は特別トレッキングが好きなわけではありませんが、せっかく入場料を支払ってここまで来たんだから郵便局だけ行って帰るのもなぁ…と思い軽い気持ちでトレッキングを始めました。
生憎の天気でしたが雨は降っておらずここから見える景色は美しいです。
山の中を歩いて進みます。
遠くに見える山も美しいです。
1つ気になることは私の他にトレッキングをしている人の姿が周りにないことです。
天気のせいだろうか?
私は孤独に山道をひたすら歩きました。
きっとゴールまでそんなに時間はかからないだろうとこの時は勝手に思っていました。
ゴールの場所もよくわからないのに。
山道を歩いたり海岸沿いを歩いたりバリエーションに富んだ風景を楽しむことができます。
山の中では可愛らしい植物にも出会いました。
デコボコした不思議な木もありました。
私はこの木にデコボコの木という名前をつけました。
気づけば、軽く1時間以上歩いています。
ゴールはまだまだ遠いようです。
こんなに歩くことになるとは思っていなかったし、引き返すにも引き返せないし、私はトレッキングを始めたことを少し後悔し始めました。
山の中を進んでいたら可愛らしい植物を見つけました。
この時欧米人の老夫婦に出会います。
旦那さんがこの赤い実を食べ、私にも食べるように勧めてきましたがお腹を壊すことを懸念して私は食べませんでした。
私は遭難したら生き残れないタイプかもしれません。
その後もひたすら歩き続けると、かなり舗装された道を発見。
ゴールは近い!そう思っていたら1台のバスがやってきました。
私はそのバスに乗り、ウシュアイアの街に戻ることができたのです。
ちなみにこの時、トレッキングを始めて既に3時間以上の時間が経過していました。
軽い気持ちで始めるトレッキングではありませんでした。
ウシュアイアの街へ
なんとか無事ウシュアイアの街に戻ってくることができました。
そこで私は不思議な乗り物を見つけます。
観光客用のバスでしょうか?
囚人が乗せられているところがとてもシュールです。
チケット売り場にもカジュアルな雰囲気で囚人が立っていてなんだか不思議な気持ちにさせられました。
ここはかつて凶悪犯の流刑地となっていた歴史もあり、囚人たちが切り開いた街とも言われているそうです。
ここでは囚人たちはヒーローなのかもしれませんね。
行き方・料金
ウシュアイア市内からティエラ・デル・フエゴ国立公園へ
シャトルバス
所要時間:約20分~
料金:往復500ARS~(約2,650円~)